2011年9月26日 15:31

歯周病のパラダイムシフト

 9月24日、日本歯周病学会秋季大会でvan Dykeの講演を聞いた。2010年、AAPDは歯周病を感染症というカテゴリーから炎症性疾患に変えた。そして、宿主の反応が歯周病で重要な役目をはたしていて、組織破壊は宿主反応の結果起こったものである、とした。したがって、P.g.やA.a.は歴史的な歯周病原体と見られるようになった。これにより、細菌から宿主へと大きな理論的枠組みが変わった(paradigm shift)としている。そして現在、RvE1という薬の局所塗布に注目が集まっているようだ。Resolvins(魚油の成分で知られるオメガ3脂肪酸/EPA,DHA:この物質は血管内皮細胞で窒素を産生し、白血球が内皮細胞に付着するのを防ぎ、炎症を抑制する。関節炎や脳梗塞、敗血症にも効果がある)やLipoxins(w6脂肪酸由来の抗炎症物質)という薬も上がっていた。この時の質問で神奈川歯科大学の李先生が、歯周病は血管病であるとの意見を述べていた。われわれ流に言うとある程度はうなずける意見である。
 この考え方の変化は、歯周病原菌をやっつける考えよりも宿主を強める方向性になったことを意味している。私たちが一番言いたかったことをちゃんと代弁してくれている。「つまようじ法」の考え方、技術、成果がますます強調されるだろう。



コメント(2)

4月8日の講演ありがとうございました。講演の中で、6mmのPocketが治癒するとの話しがありましたが、その治癒の形態とは、歯肉退縮によるものでしょうか。また、垂直性骨欠損にはつまようじ法は不向きとの話しがあり、治療法は従来法でとのことでしたが、SRPあるいは外科処置もありうるとのことでしょうか。
よろしくお願いします

小濱先生
前略
 わざわざ研修会において下さいまして、ありがとうございました。
 お尋ねの件ですが、6ミリのポケットが3ミリになった症例の治癒形態は長い上皮付着だと思います。したがって、体の抵抗力が低下して炎症が再発した場合はプロービングデプスが増加すると思いますが、ブラッシグをして新陳代謝を高めておれば出血にまではいたらないと思います。
 歯肉退縮について、私は腫脹が引いた場合は収縮と言って退縮と区別しています。ブラッシング圧が強すぎたり、時間が長過ぎたりしますと退縮がおこりますので、注意が必要です。
 垂直性骨欠損の症例は「つまようじ法」では効果がありませんので、従来のSRPやP. Curで治療せざるを得ません。Kerryは歯周外科ではかえって動揺が増すといっていますし、歯槽骨の吸収もみられるというデータがあります。
 その他、何かありましたらご連絡ください。
 取り急ぎ用件のみで失礼します。
草々

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